2025年6月、JR新得駅前に、町民と観光客をつなぐ新たな交流拠点「とくとく」が誕生しました。
「とくとくのオープンを起点に、駅前ににぎわいと笑顔を取り戻したい」と語るのは、現在「とくとく」の運営を先頭に立って担う、新徳タウンマネージメント株式会社統括マネージャーの渡辺晴喜さん。
約10年間の構想を経て、町民の願いを背負い、“まちの顔”として歩み始めた「とくとく」の全貌を紐解いていきます。
新施設「とくとく」の概要を紹介

画像提供:とくとく
「とくとく」は、JR新得駅前の再整備計画の中心として誕生した、木造2階建ての複合施設です。
約1,315㎡の館内には、新得産のカラマツがふんだんに使われており「新得の森」をテーマにした、あたたかみのある空間が広がります。
館内には、カフェや物販、観光案内所、子ども向けのキッズスペースなどが整備されており、地域の交流拠点として機能。授乳室やキッズ用設備、バリアフリー対応のトイレも整えられ、すべての世代にやさしい空間づくりがなされています。
「とくとく」の各施設を紹介
「とくとく」には、地元の魅力を伝えるカフェやショップ、子どもが安心して遊べるスペースなど、多彩な施設がそろっています。それぞれの施設の魅力を詳しく紹介します。
1.地元の味を楽しめるカフェ「コトイセ」
カフェ「コトイセ」では、新得町の食材を活かしたメニューが楽しめます。
いちおしは、町内にある上田精肉店の牛肉を使用した「ローストビーフ丼」。JA新得の山わさびも添えられています。

しっとりとろけるローストビーフに、山わさびのやさしい辛味と香りを添えて。 画像提供:とくとく
現在は、新得産のチーズやそばを使った料理の開発中とのこと。地元の魅力を伝えられるメニューをより充実させていく予定だそうです。
2.新得の魅力を結集したショップ「コトイセ」
カフェに併設されたショップ「コトイセ」では、地元の特産品を取りそろえています。
工芸品コーナーには、町内の作家が丹精込めて制作した品々が並びます。町内の福祉施設「わかふじ寮」の利用者が手がけた木工品もあり、「とくとく」と「地域の人々」とのつながりの深さを感じ取れました。
食の特産品も見逃せません。冷蔵庫にはチーズ、物販棚にはそばを中心とした専門のコーナーが展開されており、観光客は手軽に新得の魅力をおみやげとして持ち帰れます。

地元の名産「そば」が充実する特設コーナー
新得の中で生まれた価値を、また新得へとめぐらせる。まさに循環を体現するようなショップです。
3.キッズスペース「ポッケの森」

画像提供:とくとく
「ポッケの森」は、無料で利用できるキッズスペースです。大型のネット遊具やすべり台、マグネットウォールなど、子どもたちが夢中になれる遊具が充実しています。

2階とつながる大型のネット遊具が子どもの冒険心を刺激。
開放感のあるつくりで死角が少なく、保護者の目が届きやすい構造になっているのも安心できるポイント。年中無休でいつでも子どもが思いきり体を動かせる遊び場は、子育て世代にとって心強い存在です。
4.鉄道展示室「ポッポ」

画像提供:とくとく
鉄道ファン必見の無料展示室「ポッポ」では、昭和30年代の新得駅とまちの風景を再現したジオラマを楽しめます。

精巧な模型で新得の鉄道の歴史を今に伝える。
新得駅が設置されたのは、今からおよそ120年前の1907年。1917年には機関車庫が整備され、鉄道を軸に地域経済も大きく発展していきました。新得は、まさに「鉄道と共に歩んできたまち」といえるのです。
壁面には鉄道の歴史に関する資料も多数展示されています。観光客はもちろん、町民にとっても「新得って、こんな歴史があったんだ」と改めて郷土の記憶をたどれる場所です。
5.3種の休憩スペース
「とくとく」館内には、利用シーンに合わせた3つの休憩スペースが用意されています。
コワーキングスペース | 電源・Wi-Fi完備。 勉強やリモートワークに最適な作業空間。 |
ミーティングスペース | 小上がりのくつろぎスペース。 親子で絵本を読んだり、子どもがポッケの森で遊ぶのを見守りながら休んだりできる。 |
こもれびテラス | 誰でも自由に使える休憩スペース。 カフェの料理を食べるだけでなく、持ち込みも可能。 |
「とくとく」には、豊富な休憩スポットが用意されており、訪れた人が気兼ねなくくつろげます。
6.観光案内&レンタルサービス
2階には町内の観光情報を発信する観光案内所が設置されています。観光スタッフが常駐しており、旅の相談やおすすめスポットの案内に対応。レンタサイクルやレンタカーの貸し出しも行っています。町内を自由にめぐりたい旅行者にとっては便利なサービスです。
今後はイベント開催に注力
施設担当者によると、今後「とくとく」ではイベント開催に力を入れていく方針とのこと。すでにワークショップや交流イベントなど、いくつかの企画が始動しています。
屋外では、駐車場側のスペースを活用してキッチンカーを呼んだり、青空イベントを開いたりできます。
館内2階の多目的室もさまざまなイベントに利用可能です。

会議や学習会、ものづくり体験など、さまざまな用途に利用できる多目的室。 画像提供:とくとく
イベントの主催は、町内外を問わずどなたでも歓迎とのこと。たとえば多目的室は4時間以内なら2,000円、4時間以上でも4,000円で利用できます。
「新たな交流の場をつくりたい」「新得町で自分の活動を発信したい」そんな想いがある方は、ぜひ「とくとく」でのイベント開催を検討してみてはいかがでしょうか。
電話:0156-67-9170(担当:渡辺さん)
とくとく──今後のイベント情報

北海道・新得町の駅前施設「とくとく」では、リユースをテーマにした楽しいイベントが開催されます! 今回のイベントでは、古着屋さんの出店に加えて、サステナブルな暮らしを体験できるワークショップも実施予定。 ペットボトルでつくる風鈴や、コルク素材を使った“コルクガーデンピック”作りなど、大人から子ど...
町と人をつなぐ、新得の芽吹きの場
「とくとく」は訪れるすべての人をやさしくつなぐ、新たな“まちの顔”です。木のぬくもりが感じられる空間には、子どもたちがのびのびと遊び、観光客や町民がほっと一息つける居場所が整っています。
これからはイベントやワークショップの開催に力を入れていく展望もあり、さらに多くの出会いや交流の輪が生まれていくことでしょう。まちの未来を育む「とくとく」──ぜひ一度足を運び、そのあたたかさを体感してみてください。