「美味なるものは北にあり」―十勝の玄関口・帯広は、その言葉を地で行くグルメの宝庫。今回は帯広で育ったローカルライターが、観光で訪れた友人を“必ず”連れて行く10皿を厳選。発祥の味からソウルフード、復活を遂げた名店まで、地元民が誇りを懸けて薦める珠玉のラインナップを、物語と一緒に味わってください。
Contents
元祖豚丼のぱんちょう ─ 松
炭火で艶めくロース4枚が “琥珀タレ” をまとい、蓋を開けた瞬間に立つ香りはもはや帯広の香典。昭和8年創業者が考案した豚丼の原点は、女将の名にちなみ松・竹・梅・華と“逆ランク”で遊ぶ粋も健在です。
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■元祖豚丼のぱんちょう
住所:帯広市西1条南11丁目19
電話:0155-23-4871
営業時間:11:00〜19:00
定休日:月曜・第1/3 火曜
駐車場:なし
アクセス:JR帯広駅徒歩1分
インデアンカレー ─ カツカレー(インデアンルー)
帯広っ子は鍋を抱えて買いに行く!カレールーを鍋持参でお持ち帰り文化が根付くカレー専門店。30種以上のスパイスと牛筋が溶けた濃厚ルーに、揚げたてロースカツを沈めれば「台所はインデアンで出来ている」と納得するはず。持ち帰りは容器代ゼロでエコ。
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麦音 ─ 白スパサンド
開店6:55、朝いちばんで棚が空になる伝説のサンド。十勝産小麦100%バゲットとバター香る冷製スパゲティサラダの意外性は、創業会長が「パン屋の賄い」をそのまま商品化した遊び心から誕生しました。広大な芝生で小鳥をBGMに頬張るのが地元流。
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ランチョ・エルパソ ─ 焼き飯スペシャル
鉄板で立つバターの香りとジュワッと弾ける自家製ベーコン。40年前の開店時から続く“帯広の洋食ソウル”は、山盛りピラフの頂に自家製フランクとサラダをのせたワンプレート。ビール醸造も手がける店だけに、クラフトビールとの相性は言わずもがな。
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ジンギスカン白樺 ─ 味付きラム
「これが口に合わなければ他店の選択肢はない」と地元民が豪語する味。1957年創業以来、リンゴとタマネギの甘口ダレで揉みこんだ羊肉を、中央隆起の鉄鍋+ガスロースターで焼く“十勝流両付けスタイル”。鉄鍋に溝を刻むのは肉汁を野菜に回す知恵です。
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クランベリー本店 ─ スイートポテト
皮を器にした黄金ペーストは1本平均555 g。夕方には“芋山”が売り切れるので、午後イチの行列が狙い目です。隠し味は生クリームと少量のカスタード、パーティーサイズは1 kg超えの迫力。
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■クランベリー本店
住所:帯広市西2条南6丁目
電話:0155-22-6656
営業時間:9:00〜20:00
定休日:無休
駐車場:店横 10 台
アクセス:JR帯広駅徒歩 8 分
公式HP
レストランむとう ─ ロースとんかつ
2024年、スイス・ベルンのホテルで腕を振るったシェフが帰国し2年5か月ぶりに再開。低温揚げで引き出した肉汁を閉じ込め、最後に高温で衣を“立てる”職人技は海外仕込み。再開初日に200人が行列した“帰ってきた町のごちそう”。
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■レストランむとう
住所:帯広市西13条南34丁目1-7
電話:0155-48-8056
営業時間:火~日10:30〜15:00/金土17:00〜20:00
定休日:月曜
駐車場:15 台
アクセス:JR帯広駅から車 10 分
高橋まんじゅう屋 ─ チーズおやき
牛乳余剰を解決すべく2代目が考案した“とろける大判焼き”。昭和29年創業、真冬でも行列が絶えず50 ℃の焼き場で3代目が焼き続ける姿は帯広の風物詩。焼き立てを頬張ると、モチ皮と塩気あるチーズのバランスに思わず笑みがこぼれます。
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■高橋まんじゅう屋
住所:帯広市東1条南5丁目19
電話:0155-23-1421
営業時間:9:00〜21:00(日祝〜20:00)
定休日:水曜・第2/3 火曜
駐車場:8 台
アクセス:JR帯広駅徒歩 15 分
ラーメンバカノミセ(胡風) ─ 胡えびす味噌
丼を覆う小エビ粉が溶けると甲殻の香りが爆ぜる“海老味噌爆弾”。8種味噌をブレンドした濃厚スープに極太自家製麺が絡む一杯は「世界一熱い味噌」を掲げる店主の狂気と情熱の結晶。深夜までスープ研究を続ける姿に常連が惚れ込むのも納得。
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■ラーメンバカノミセ 胡風
住所:帯広市南の森西8丁目1-1
電話:090-8276-9508
営業時間:11:00〜15:00/17:00〜21:00
定休日:月曜・第1/3 火曜(祝日の場合翌日)・金曜夜
駐車場:20 台
アクセス:JR帯広駅から車 12 分
SNS:Instagram
六花亭 帯広本店喫茶室 ─ 智宏風ハヤシライス
帯広洋食の名匠・井出智宏氏から継承したデミグラスを2週間煮込み、バターソテーの道産牛がとろける逸品。菓子王国・六花亭が“食事メニュー”で挑む矜持は、喫茶開店11時を待つ列が証明します。
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紹介した店舗MAP
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十勝の肥沃な大地と職人の矜持が結晶化した10皿は、単なる“ご当地メニュー”を超え、帯広という街の記憶そのもの。炭火の香り、スパイスの鼓動、鉄鍋のジュウ音。五感で刻む味わいは、旅の記憶を永遠にアップデートしてくれるはずです。まずはこの記事を片手に、腹を空かせて帯広へ。